具体的な素材として最初に学ぶのはダイヤモンドでした!

1)宝石としてのダイヤモンドの歴史

ダイヤモンドは、今でこそ宝石の王座を占めているが、歴史の中でダイヤモンドがこのような地位を占めるようになったのは、たかだか百数十年足らずのこと。

紀元前4世紀

1番最初に見つけて使い出したのはインド、トラビダ族による。この頃から、ダイヤモンドの比類のない硬さと、八面体の面に平行に割れやすいという劈開の性質に気がついていた。

紀元4世紀

   ボルネオ島でもダイヤモンドが発見される。

ローマ時代以降

   インドからヨーロッパへダイヤモンドがもたらされる。

1720年代

   ブラジルでダイヤモンドが発見され、ポルトガル人によってヨーロッパに輸入されるようになった。

1860年代〜

   南アフリカのオレンジ川でダイヤモンドが発見される。ダイヤモンドラッシュを引き起こす。

   このラッシュを通じて、はじめてダイヤモンドの原岩が発見された。その採掘活動が出発点になって、ダイヤモンド・シンジケートと俗称される今日のデ・ビアス社を中心とするダイヤモンド販売機構が生まれ、ダイヤモンドの価格が安定するようになった。

[ダイヤモンド販売機構が生まれたわけ]

    ダイヤモンドの原岩は、南アフリカのキンバレーの町で最初に発見されたのでキンバーライトと呼ばれている。それまでは、個人の労力で、手掘りと椀かけで採集していたが、キンバーライトは直径1キロメートルものパイプ状をしているので、近代的な大規模採掘が可能になり、産出量も飛躍的にも増大した。

    こうして、生産量を買い占め、需要に応じてコントロールしながら市場に出していくというダイヤモンド販売機構が生まれた。

[ダイヤモンド販売機構の地位]

1998年末まで

世界のダイヤモンドの約85パーセントをコントロールしていた。

2000年より

1998年に、カナダの鉱山が操業を開始したことをきっかけに、ダイヤモンドの世界的需要の喚起と供給のコントロールによるダイヤモンドの取り引きを安定化される役割を放棄した。

世界のダイヤモンドの約60パーセントを供給する最大のダイヤモンド原石供給業者として活動。

ダイヤモンドのカットについて

ダイヤモンドが宝石として売れるために、研磨することが必要。地球上で1番硬いダイヤモンドを研磨する方法が見つかり、ダイヤモンドのもつ輝きを最高度に発揮するブリリアント・カットの方法が発明されたからこそ、宝石の王座に輝けるようになった。

テーブル・カット

ダイヤモンドのカットとして最初にあらわれたカットのスタイル。ダイヤモンドの結晶の中で一番柔らかい方向を研磨した。

ロゼンジ・カット

二番目に柔らかい方向を研磨したスタイル。

ローズ・カット

小さな切子面(ファセット)を沢山つけたカット。

時々見かけるローズカットのダイヤモンド!
優しい雰囲気に心惹かれます♡

ラウンド・ブリリアントカットの原型

17世紀末、ベニスの宝石商ベルッツィによって考案された。輝きを最高に発揮させるカットのスタイルの考案。ダイヤモンドのもつ屈折率や反射率などの光学的性質を考慮に入れて、ダイヤモンドに入った光が最大限に入ってくるようなカットのスタイル。

20世紀に入ってから、

南アフリカ以外でもダイヤモンドは各地で発見。

第二次大戦後    

シベリアで大鉱床の発見

1985年頃〜      

オーストラリアアーガイル鉱山

1998年            

カナダのエカティ

2003年            

カナダのダイヤヴィック鉱山

                          中国各地の発見

ダイヤモンドの発見に伴い、生産量もずっと増えてきたが、ダイヤモンドの大衆化により、需要はさらに上回っているのが現状。

1970年までは、ダイヤモンドの全産出量のうち、宝石用は、20〜25パーセント。残りは工業用。

現在は、宝石用が55パーセントに変化している。

同じダイヤモンドといっても質の落ちるものも宝石用として売られている。品質の目安としてグレーディング・レポートが必要となる。

感想

ダイヤモンドの歴史は面白かったです。ラウンド・ブリリアントカットがまだ新しいカットで、このカットによりダイヤモンドが今の地位を得たのはとても興味深いです。個人的には、優しい輝きのローズ・カットにも心惹かれています。