1)ダイヤモンドの形成

a  ダイヤモンドとグラファイト

18世紀の末までに

無色透明で地球上で一番硬いダイヤモンドと、真っ黒で不透明な柔らかいグラファイトが、両方共同じ炭素でできていることがはっきりした。

同じ炭素でできていながら全く違う性質をもった2種類の鉱物が生まれる理由は、結晶の中での炭素原子の結びつき方(原子間の結合)と並び方(結晶構造)が違うから。

ダイヤモンドとグラファイトの結晶構造

b   ダイヤモンドの旅

1   ダイヤモンドは、高温高圧条件の地下深く、上部マントルでできる。多分、マントル内部で部分的に溶けたマグマの中にできる。

2   別のマグマに取り込まれて、地殻の割れ目を通って地表近くまで急速な勢いで上昇。

3   地表近くで火山の爆発が起こり、マグマは急速に冷却固化する。

4   ダイヤモンドを運ぶ役割を果たしたマグマがキンバーライトで、普通パイプ状をしている。同じ役割を果たしたマグマにランプロアイトとあう岩石もある。どちらも地下のマントル層の中に発生したマグマからできた岩石。

2)ダイヤモンドの産地

一次鉱床と二次鉱床

鉱床とは、

有用な鉱物が採掘経費に見合うだけ集中して産出する場所を鉱床という。

一次鉱床

宝石の原石が地中深くから地表に押し上げられたところをいう。風化、侵食に耐えて残ったキンバーライトやランプロアイトは、みんなパイプ状。

大規模な露天掘りや坑内掘りが可能になり、採鉱、選鉱作業で近代的な手法が応用できる。

南アフリカ、ボツワナ、タンザニアなどのアフリカ諸国、オーストラリア、カナダ、シベリアのサハ共和国、中国など。大陸内に限られているのか特徴。

二次鉱床

風化、浸食、運搬、堆積などの過程を経てできた漂砂鉱床。

ダイヤモンドが一番最初に見つかった、インドやボルネオ、その後のブラジルなど。

赤道付近の国々、南アフリカのオレンジ川流域、シエラレオネ、ガーナ、ギニア、中央アフリカ、ザイール、アンゴラ、ブラジル、ベネズエラ、ギアナなどの南米の国々。

遠距離を運ばれたので、品質の良いダイヤモンドの割合が高いのが特徴。