鑑別書とは

宝石あるいは宝飾用素材について、科学的検査を行った上で、その生成起源および種類を同定したものが鑑別書。

鑑別においては、価格はもちろん、品質的な評価は一切行われない。

諸外国では、限られた高級宝石のみ第三者の発行する鑑別書が付けられる。

日本では、消費者の要望もあり、流通する商品の多くに付けられている。

所定の検査が可能であれば、ルース(裸石)に限らず、ジュエリーとしてセットされたものにも発行される。書面には必ず、発行者の名称と所在地が明記される。

鑑別書の表記法

①生成起源の分類定義に従って行われる。

天然石

鉱物名に<天然>の接頭語を冠する。

宝石名に<天然>の接頭語を冠しない。

カラー・バラエティ名の付加は任意。

処理内容を明記する。

例)天然コランダム  ルビー

合成石

合成石には<合成>の接頭語を必ず冠する。

例)合成エメラルド

人造石

人造石には<人造>の接頭語を必ず冠する。

例)人造キュービック・ジルコニア

模造石

張り合わせ石以外では必ず模造石と表記する。

例)模造トルコ石

②天然の宝石には人的手段による処理などを行うことがあるので、次のように表記される。

a. 現時点ではカット・研磨以外の人的手段が施されていない宝石。

例)天然クリソベリル  アレキサンドライト

b. 人的手段が行われている宝石

例)天然ベリル    エメラルド

開示コメント

透明度の改善を目的とした無色透明材の含浸が行われています。

例)天然コランダム  サファイア

開示コメント

色の変化を目的とした人為的な外部からの元素の拡散加熱処理が行われています。

c. 現時点の技術では明らかな確証を得ることができない。

例)トルマリン(ピンク、レッド)

開示コメント

通常、色の変化を目的とした人為的な照射処理が行われています。

例)シトリン

開示コメント

通常、色の改善を目的とした加熱が行われています。

例)一部の無色、およびカラー・ダイヤモンド

開示コメント

色の変化を目的とした高温高圧プロセスが行われています。

色の起源が天然か高圧高圧プロセスに因るものかは判定不能。