1)手入れの原則は「拭く」

   真珠は、「手入れが不可欠な唯一の宝石」で、それは、その成分、構造に起因する。

    主成分である炭酸カルシウムは、賛成の水で溶けるという性質がある。炭酸カルシウムの小さな結晶が何百、何千と層をなして真珠層を作っている。例えば1番上の結晶(表面の結晶)が酸で溶けて変形したとする。たちまち光の散乱という現象が起き、私たちの目には、真珠が曇ってしまったように映る。構造面からいうと、表面にわずか数ミクロンでも凹凸ができると光沢鈍化が起きる。

結晶が溶けるという現象

汗や手の油が付いた状態を想定。真珠の表面に汗や油が付着。成分として油分が入っているから粘着性があり蒸発しにくい。密閉した容器に入れた場合一層蒸発しにくくなる。もともと、汗や油は酸性を帯びているので結晶は溶け出す。蒸発しにくいので長時間これが続き、数ミクロンレベルの凹凸ができ、光沢鈍化が起きる。

光沢鈍化を防ぐには

汗や油が付いたらすぐに拭き取ることが大切。少なくとも使用後、よく拭いてしまうことが真珠の光沢鈍化を防ぐ最良の手入れと言える。

拭くものは柔らかい布であれば何でもよい。理想を言えば水を吸う性質(吸水性)と油分を吸う性質(給油性)を同時に持っている布が望ましい。

真珠が曇ってしまった場合の修復法

真珠層は結晶が何百、何千と積み重なっているので、1番上の結晶、凹凸が出来た結晶を取り除けばまた新しい結晶が出てきて、光沢は回復する。幸い結晶と結晶の間にはタンパク質があるのでそこで剥ける。この修復は専門家に委ねるべきだが、簡単なものについては研磨剤入りの布などで「剝く」ことは可能。

2)長期保管で注意すること

①光、特に紫外線に長期間当たらないようにする。タンパク質が「やけて」黄ばみが出てきてしまう。

②極端な乾燥や湿潤状態に置かないこと。真珠層にヒビが入る場合がある。

養殖真珠の呼称

養殖真珠が生産された母貝名を冠して呼ぶ。

アコヤ養殖真珠  Akoya Cultured  Pearl

シロチョウ養殖真珠 

Silver Lipped  Cultured  Pearl

Black  Lipped  Cultured  Pearl

マベ養殖半形真 

Mabe  Cultured  Half  Pearl

アワビ養殖半径真珠 

Abalone  Cultured  Half  Pearl

淡水真珠は母貝がほぼ特定されているので、母貝名を冠せずに淡水養殖真珠とする。

Fresh  water  Cultured  Pearl

海水産真珠の形状

1   ラウンド

2   セミラウンド

3   オフラウンド

4   セミバロック

5   バロック

6   ヘビリー・バロック

7   ファンシー・シェイプ