宝石の美しさを守るためには、それぞれの宝石のウイークポイントを知った上で、それに適した手入れを行うことが大切なのです!

ウイークポイントと手入れの仕方

a. 硬度の低さ

例:有機質の宝石(真珠、サンゴ、象牙、琥珀、べっ甲等)、ジルコン、ゾイサイト、マラカイト等

硬度の低い宝石は容易に傷ついてしまう。

👉柔らかい布などに包んで保管するのがベスト。

比較的硬度の高い宝石でも、それ以上の硬度の宝石と触れ合えば傷がついてしまう。

👉どのような宝石でも個別に保管するのが原則。

b. 衝撃

例:エメラルド、オパール、トパーズ、クンツァイト、ペリドット、ゾイサイト等

👉いずれの宝石でも基本的には衝撃を加えることを避ける。特に劈開の完全な宝石については、ちょっとぶつけたり、落としたりしただけで割れることがある。まして、内部にクリベージ(劈開割れ)が存在する場合、日常的な衝撃でさえ要注意。

c. 紫外線

例:パバラチア・サファイア、アメシスト、クンツァイト、トルコ石、一部のトパーズ、加熱ジルコン、シェル・カメオ等

これらの宝石は紫外線に長い時間晒されると、褪色あるいは変色の恐れがある。

👉日光が当たる場所や強いショーケースの照明下に放置することは避ける。

d. 熱

例:有機質の宝石、エメラルド、オパール、トルコ石等

(どのような宝石でも、高熱のもとでは変質の可能性があるが例の宝石ほ特別に注意)

👉熱による乾燥に弱く、熱湯、暖房器具など日常の中でも考えられる高温環境にも、注意を払う必要がある。

e:超音波洗浄器

例:エメラルド、トパーズ、オパール等 

超音波洗浄器のみ振動によって割れが誘発される恐れがある。エメラルドはそれだけでなく一般に樹脂含浸の加工が行われているから、これらの流出を防ぐためにも特に厳禁!

👉超音波洗浄器は厳禁!

f:水分

例:有機質の宝石、トルコ石等 

有機質宝石は、変質などの恐れがあることから水分を特に嫌う。

👉保管する前に必ず柔らかい布で丁寧に汚れを払う手入れが必要。

天然のトルコ石は多孔質で水分を吸収しやすい性質のために、洗剤などの使用は変色の原因ともなりかねない。

👉トルコ石には、無色材の含浸が行われる。

g. 酸、アルカリ

例:有機質の宝石、ペリドット、マラカイト等

有機質素材は様々な因子に対してデリケートで、取り扱いに注意する必要がある。汗や化粧品等からダメージを受けやすい。

👉使用したらすぐに汚れを拭った後で保管する。

ペリドット

👉有機質ほどではないが、加工等の際に使用される薬品に対しては侵される可能性あり。