1)貝という動物

貝は、貝殻を自分で作ることができる。

貝は外套膜(がいとうまく)という特有の器官、貝殻を作る器官を持っている。外套膜は、貝殻に密着し同時に内臓すなわち体全体を覆っているので外套という言葉が使われている。

2)外套膜の不思議な挙動と真珠袋

外套膜の不思議な挙動

何かの拍子で外套膜が切れてその一部(破片)が体内に入ると、その破片は体内で生き続ける。

更に体内から養分を貰って成長し始める。成長して一種の袋状の組織を作る。この袋を真珠袋と呼んでいる。この真珠袋が真珠を作る。

真珠袋

外套膜の破片が体内に入って成長したもの。真珠袋まで成長する

と、本来の外套膜の機能を取り戻し、袋の中で貝殻を作り始める。こうして体内にできた貝殻がすなわち真珠である。

3)真珠養殖発明の偉大さ

天然真珠と養殖真珠の違いは一般に

天然真珠

貝の体の中に砂粒や小石が偶然入って出来たもの。

養殖真珠

人間が核を入れて出来るもの。

とされているが・・・・

養殖真珠の発明について

世界的な大発明。発明王エジソンも頭を下げたくらいの偉大な発明と言われる。

砂粒の代わりに核を貝の中に入れるのが果たして大発明と言えるのか?

実は最初の説明が間違っている。

天然真珠と養殖真珠の違いが間違っていた。

☆砂粒が入っても、核を入れても決して真珠は出来ない。

真珠が貝の体の中に出来るためには、体の中に真珠袋が作られなければならない。

御木本幸吉氏たちの発明

外套膜を切って、その小片を体内に入れ真珠袋を入れさせるという方法を発明した。

☆今から約100年余もまえ、一種の「再生医療」の方法を発明した。

4)真珠養殖の原理

1   外套膜の小片(ピース)を核と一緒に体内に入れる。

2  ピースが成長し始める。一緒に入れた核に沿って育つ。

3   核全体をピースが包み込む。真珠袋の完成。

4   真珠袋が真珠を作る。

     体内からもらった養分をもとにして、真珠袋は真珠層を作る。それを袋の中の核の表面に塗りつける。時間が経つにつれ層は何層も何層も積み重なっていく。中の真珠が大きくなるにつれて真珠袋も大きくなる。

    数年の時間の経過で真珠層が十分巻かれたところで養殖真珠の完成となる。

球状の核を入れるのは球状の真珠袋を作るため。その結果、球状の養殖真珠になる。

※真珠の形にこだわらなければ核など入れる必要はない。「ピース」だけ入れればよい。「ピース」が変身して真珠をになる。真珠袋が真珠を作る主人公!

天然真珠の正しい生成の説明

様々な偶然の働きで外套膜の破片がその貝の体内にな入り込み、真珠袋になった。その結果、真珠袋が真珠層を何層も作り、天然真珠が出来た。