バラエティ豊かなガーネット

化学組成と結晶構造

ガーネットに分類される種類であれば、必ず共通の結晶構造を持っている。

構造中に取り込まれる成分が少しずつ異なるため、色も見かけも様々な各種のガーネットが生まれる。またそれぞれは、硬度、屈折率、比重などの特性にも違いがあり、それぞれ別の名前がつけられている。

ガーネットの種類

パイロープガーネット

鮮やかな赤色のため、ルビーと混同されてきた。産出が少ない宝石。

ロードライト・ガーネット

1880年代になって発見された魅力的なローズ・レッド。アルマンディンとパイロープの中間的タイプ。

アルマンディン・ガーネット

落ち着いたわいん・レッドに代表される。最も広く愛用されてきたガーネットの1つ。

スペサルティン・ガーネット

90年代に入り、「ホーランダイト」あるいは「マンダリン・ガーネット」のコマーシャル・ネームで呼ばれる。

美しいオレンジ色の、ほとんど純粋なタイプが発見されて以降、人気が出た。

スペサルティンとパイロープの中間タイプ

マラヤと名付けられたコニャック・カラーのガーネット

アレキサンドライトと間違えられる変色性を示すガーネット

グロッシュラー・ガーネット

グリーン、ゴールデン、イエロー、オレンジなどのカラー・バラエティが見られる。

緑色をしたグリーン・グロッシュラーは透明な単結晶と塊状の2つのタイプに分かれる。

トランスバールひすい

グリーン・グロッシュラー・ガーネットの塊状の半透明なもの。緑色のガーネットでは、翡翠とそっくりの半透明の変種、こちらのみが知られていた。

ツァボライト

グリーン・グロッシュラー・ガーネットの透明なもの。ティファニーが命名して大々的に売り出した。

1970年頃にケニアのタンザニアで透明なグリーンが発見された。ツァボライトのネーミングとエメラルドに似た美しい色がアピールして、瞬く間に宝石市場に広がった。(ティファニーが売り出し成功!)

ヘソナイト・ガーネット

褐黄色から褐赤色。非常に特徴的なインクルージョンの存在で、透明なグロッシュラーの中でも区別されている。

デマントイド・ガーネット

ガーネットの中で最も希産と言われる。コレクターに人気。

独特な味わいの緑色の中に浮かび上がる虹色のファイヤーが華やか。