ダイヤモンドの類似石とダイヤモンドの合成について!

1)合成ダイヤモンド

1955年   

最初にダイヤモンドの合成に成功したのは、アメリカのGE社。

高音高圧装置を使い、鉄やニッケルのような金属と、それらの合金にグラファイトを溶かし、高圧下にさらすことによって、径0.1mm前後のダイヤモンドの微結晶を合成するのに成功した。すぐに工業化され、研摩材料用の生産が行われた。

1970年

品質がよく、サイズも1カラットを超え、宝石として使えるようなダイヤモンドの単結晶合成に成功した。同じくGE社。以後南アフリカ、日本、ソ連でも成功。

これらの企業は、宝石質のダイヤモンドを作る意志はなく、大粒合成ダイヤモンドは半導体用に使うと言明した。

現在

合成技術は進歩を遂げ、装身具に使用する目的の合成ダイヤモンドが市場に現れた。

2)類似石

無色透明で、屈折率も比較的高く、硬さもそこそこという結晶があれば、みかけをダイヤモンドそっくりにすることができる。

昔は、鉛を含んだガラス、熱処理して無色にした天然ジルコン、合成ルチルやチタン酸ストロンチウムの結晶。

その後、レーザー用に合成したGGG(ガドリニウム・ガリウム・ガーネット)、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)などが、カットすれば見かけがダイヤモンドそっくりになることがわかり、ダイヤモンドの代用品として流通。

更に、最初から類似品を目的としてCZ(キュービック・ジルコニア)の単結晶育成法が開発された。

3)様々な処理法

ダイヤモンドは天然の鉱物で完全無欠の原石は大変希少。多くのものは、含有物が入っており、内部亀裂(フェザー)を含んでおり、色がついていたりする。それでこれらを適当な処理をしてグレードアップを図る。

☆照射、および熱処理

カラーグレードの低い石を放射線で照射処理したり、熱処理したり、両者を組み合わせて処理すると色が変わる。イエロー、ピンク、グリニッシュ・イエロー、ブルーなどを作り出せる。これらは店頭でトリーテッド・ダイヤモンドと呼ばれる。

☆ペインティング

ガードルやキューレットにマニュキアやインクを塗ると、一時的にファンシーカラーの石にすることができる。

☆ゴーティング

青系のインクの代わりに灰青色のガラス状物質を蒸着させると、同様の理由で色が改変させられたように見える。

☆充填処理

クラリティー・グレードに影響している表面に達しているフェザーに屈折率の高いガラス状物質を充填させると、フェザーが目立たなくなり、見かけ上のクラリティーグレードが向上したようになる。

☆漂白処理

黒色の含有物は目立つので、レーザー光線で到達する小孔(レーザー・ドリリング・ホール)をあけ、酸処理をして漂白し、含有物を目立ちにくくする。

☆高音高圧(HPHT)処理法

褐色のダイヤモンドを高音高圧処理をして無色に変える技術。アメリカのジェネラル・エレクトリック社で開発された。

☆KMプロセス処理

ダイヤモンドの内部にレーザー光線を照射して、フェザーを誘発させ、そのフェザー面を利用して黒色インクルージョンの黒色部をボイリング(酸処理)によりインクルージョンを目立たなくさせる。