1)シロチョウ養殖真珠

シロチョウ貝という大型の貝から採れる真珠をシロチョウ真珠(南洋真珠とも言う)と称する。

シロチョウ貝は赤道を中心とした熱帯の海にしか生息していない。

養殖している国

オーストラリア、インドネシア、フィリピン、タイ、ミャンマー、日本の奄美大島など

オーストラリア、インドネシアで全体の90パーセントを占める。

歴史

1922年、インドネシアのプートン島で日本人藤田

輔世によって始められた。

特徴

貝が大型で、水温が高いこと、2年以上の養殖期間をかけるなどの理由で、この貝からは直径13ミリ以上の大珠が採れる。

貝殻を見ると、銀色の内面真珠層が黄色く縁取られているものと、そうでないものがある。前者をゴールド・リップ、後者をシルバー・リップと呼ぶ。ゴールド・リップからはゴールド系の真珠、シルバー・リップからはシルバー系の真珠が採れる。

2)クロチョウ養殖真珠

珊瑚礁に生息する大型の貝、クロチョウ貝から採れるものがクロチョウ真珠(黒蝶真珠とも書く)。クロチョウ貝の貝殻内面の真珠層を見ると黒緑色に縁取られている。ブラック・チップとも言う。外套膜のこの形成能力を利用して、黒緑色の真珠が作られる。

歴史

1970年代になって市場に登場した。そのため消費者の認識度は真珠の中で最も低いと言われる。現在は90パーセント以上をタヒチ産が占有。1914年に沖縄県の石垣島で養殖の試みが始まっている。

特徴

クロチョウ真珠を分析すると、実体色は、緑褐色、赤褐色、黄褐色の三つの色素からなる。この貝からは今後様々な色調を持つ真珠が採れることが予想される。この真珠の最高の色調をピーコック・グリーンという。

3)マベ養殖半形真珠、アワビ養殖半径真珠

マベは、熱帯から亜熱帯に生息している大型の貝。日本では奄美大島から沖縄で見られる。

マベ貝からの真円真珠養殖の成功については一部報じられているが、商業的成功にはいくつかの課題が必要な段階。

半径真珠とは、

生きている貝の貝殻内面に半円状の核を貼り付けて、外套膜の貝殻形成力をそのまま利用して作る真珠。球状の核を貼り付けて作るのをスリークオーター真珠と言う。

半径真珠はアワビからも採れるがあまり市場には出てこない。

4)淡水養殖真珠

琵琶湖特産のイケチョウ貝、その仲間で中国のヒレイケチョウ貝など湖や河に生息する貝から採れるものを淡水真珠という。

現在では中国産が大量に出回り価格の面からもややアクセサリー的になっているが、1910年頃から琵琶湖で取り組まれ開発された真珠である。

ケシと呼ばれる養殖真珠とは、

アコヤ養殖真珠、シロチョウ養殖真珠、クロチョウ養殖真珠などの海水養殖真珠は、「ケシ」と呼ばれる場合がある。養殖時の有核真珠とは別に外套膜内などに偶発的であるかお問わずに出来た養殖用核を持たない小粒な真珠を指す。