ジュエリー好きのお仲間のお一人が、ジュエリーひとつひとつを画像入りで解説してと欲しいとリクエストしてくださいました。とても嬉しかったです。

    年齢的に、自分のいなくなった後のジュエリーの行く末が気になっておりました。自分でも、少しずつ整理していき、遺されたジュエリーを子どもたちに理解してもらえるようにしたいと常々思っていました。いいきっかけを頂き、本当に感謝致しております。

    まだ、元気で楽しみながら書ける今、私のお気に入りのジュエリーについて、書かせて頂きます。ご覧になって頂けましたら幸せです。

レッドダイヤモンドとの出会いは突然でした!

    昨年の12月、ボーナスをあてに、小さくてリーズナブルなピンクダイヤモンドを、銀座にあるリサイクルジュエリーのギャラリーJEXさんに受け取りに行ったときのことです。JEXさんにお伺いするのは本当に久しぶりでした。

     お目当てのルースを受け取り、お店でいつもお出しくださるとびきり美味しいハーブディーを頂きながら、心優しい担当の方と、世間話をしていた時です。思い出されたように、

「そう、今珍しいものがあるのですよ。」

とお出しくださったのが、レッドダイヤモンドのルースでした。 

    レッドダイヤモンドのお話はジュエリーのお仲間から幾度も伺っておりましたが、本物のレッドダイヤモンドを拝見するのは生まれてはじめてでした。華やかに煌めく真紅のルースにすっかり魅了されました。元々持ち主の方が加工をなさろうとしてお持ちになられていたものが、たまたま手放されることになったのだそうです。

    はじめは、単純に魅了され眺めておりました。久しぶりにお伺いしたお店で、偶然、レッドダイヤモンドに出会えるとは、なんて運が良いのだろうと思いました。拝見できて幸せでした。今日ここに来て本当にラッキーだったと感謝していました。

    どのくらい眺めていたでしょうか。案外短い時間だったのかもしれませんが、目が離せない思いでじっと拝見しておりました。とても幸せな時間でした。 

    レッドダイヤモンドが、お高いことは私でも分かっておりましたので、ボーナスの入る12月だからといえども、自分にご縁があるものとは最初は全く思ってもみませんでした。

    それでも、いつの間にか、お値段をお伺いせずにはいられない気持ちになっておりました。購入できるあてもないのに、厚かましくも尋ねてみました。すると、まだお値段さえも決まっていないとのことでした。私は目の前のレッドダイヤモンドを拝見できた偶然に改めて感動していました。お値段は、その場で、持ち主の方にお電話で確認してくださることになりました。ありがたいことに連絡はすぐに付き、お値段を決めてくださいました。

 0.177ct    ファンシーパーブリッシュレッドのダイヤモンドです!!

   ラウンドブリリアント故か、艶やかで、眩いばかりの煌めきでした。クラリティーはI2でしたが、加工には全く問題のないとのこと、私が目で見た感じでも傷はそれほど気にならない程度のものでした。

   レッドダイヤモンドとしてはそこそこの大きさで、素晴らしいお色です。これでクラリティーまで良かったら、どう逆立ちしても、到底ご縁は望めないと思いました。I2のクラリティーに、私はむしろ感謝し、レッドダイヤモンドにご縁を頂く最初で最後のチャンスかもしれないと感じました。

    レッドダイヤモンドのお値段についてです。当然ですが、私がこれまで購入したジュエリー、ルースと比べてみるまでもなく、1番高価でした。自分の心臓の鼓動をはっきりと感じていました。

    それでも、直感でレッドダイヤモンドとしては、かなりお安いと思いました。大きさとお色を考えれば、破格のお値段を付けてくださっていることに感謝しました。売り主様は、とても良心的な方と思われ、担当の方もご配慮くださっているのも感じました。   

    ドキドキしているのは、私が何とか手元におきたいと強く思いはじめたからだと気づいていました。

   こんなチャンスはもう2度とないと思いました。この時、購入に向けてチャレンジしようと自分の中では決めていました。そこで購入したい気持ちがあること、それでも私には高価なので、1度帰宅して夫に相談してから正式にお返事することを伝えました。その折、嬉しいことに、10回の分割なら金利なしでお受けくださると助け船さえも出してくださいました。

    帰り道、夫にレッドダイヤモンドのことをどう話そうか考えました。頭ごなしに反対する人ではないのは分かっていましたが、レッドダイヤモンドのお値段は、私には高価過ぎました。それでも、どうしても欲しいのです。色々考えた末、今の気持ちをありのまま正直に伝えようと決めました。

    そうと決めたら、家まで待てず、途中の駅から携帯電話をかけました。思いもかけず素晴らしいレッドダイヤモンドに出会えたこと、とても希少価値の高いもので高価だけれど、どうしても欲しいと思っていること等を一生懸命伝えました。私が夢中になって話し続け、一息ついた時、夫は「そんなに欲しいなら買ったらいいよ。」と言ってくれました。全く拍子抜けする程あっさりと許してくれたのです。ただもう、本当に嬉しかったです。

運命のレッドダイヤモンドは、リサイクルの片耳ピアスを素晴らしいリングへと蘇らせました!!

    レッドダイヤモンドは手元で見て、感じて、楽しみたいと思っていたので、リングに加工することに決めました。出来るだけリーズナブルに加工したいとリサイクルジュエリーへの乗せ替えを考えようとした時、届いて間もない片耳ピアスを思い出しました。

実は、数日前に素敵な片耳ピアスを落札しておりました。デザインが好みでリーズナブルなので、ずっと気になっていたお品です。はじめのうちは、ピア スなので耳に穴を開けていない私にはご縁のないものだとただ眺めていたのです。それでも、日々眺めているうちに、そのピアスの魅力に負けて、ペンダントやリングに直せばよいと思い立ち落札していたのです。

↑乗せ替え前の方耳ピアスの鑑別書
0.132ctのピンクダイヤから0.177ctのレッドダイヤに乗せ替え

    片耳ピアスの中石はピンクダイヤモンドでした。レッドダイヤモンドより少しだけ小さめのルースでしたが、もしかしたら乗せ替えてリングにできるかもしれないと思い立ち、JEXさんに相談してみることにしました。いつもお優しい担当の方は、サイズは微妙に違うけれど、できるかもしれないと仰ってくださり職人さんに見て貰えることになりました。 そして、職人さんの卓越した腕のお陰で、造り替えと思えない素敵なリングに加工して頂くことができました。

    それはまるでこのレッドダイヤモンドの為にオーダーしたかのように素晴らしい仕上がりでした。片耳ピアスとレッドダイヤモンドが引き寄せ合ってくれたのかもしれないと感じたほどでした。

    今でもレッドダイヤモンドのリングを手にする度に、自然に笑みがこぼれます。背筋がぴんと伸びるのを感じます。度重なる偶然は、レッドダイヤモンドが私の元に来てくれたのは運命だったのではないかと密かに思い、しみじみと幸せを感じております。