情けない私をジュエリーは支えてくれました!

    子育て中の情けない私に、元気を与えてくれたジュエリーたちを大切に想うようになっていました。ジュエリーは単なるアクセサリーというものではなく、私を支えてくれる大切な存在に、いつしか変わってきていました。

     さくらももこさんの「宝石物語」を読み、納得し、益々ジュエリーが大好きになりました。知らなかったジュエリーを知ったり、何となく知っていると思っていたジュエリーのルーツなど背景を理解できるようになったり。大好きなジュエリーのことを色々知るのは本当に楽しかったです。

     ももこさんの「宝石物語」には、続編がありました。「宝石手帳」です。ももこさんのエッセイはとても面白く、楽しいので、何度も繰り返し読ませて頂きました。

ジュエリー、宝石には、本当に様々な効果があるんですよ!

    この「宝石手帳」には、宝石の効果が記されていました。初めて読まれる方は、何やら怪しく感じられることもあるかもしれませんが、私は、宝石にはまり、宝石に癒されておりましたので、素直にももこさん(正確には岡本社長さん)の宝石の効果のお話を信じることができました。そして、そんな凄いパワーを秘めた宝石をいつか手に入れたいと強く願うようになっていました。

    宝石の効果についての記載が色石メインだった関係もあり、特に色石にはまるようになりました。宝石の効果の視点から、色石を選ぼうとするくらいまで夢中になっていきました。

    当時、誕生日や結婚記念日などに夫にリクエストしていたのは、私の欲しい効果を持つ色石でした。慢性の高血圧に悩んでいた実母の誕生日に、高血圧に効果のあると書かれていたグリーンガーネットを選ぶ位、洗脳されていきました。

    今ある色石のほとんどが(手放したものもありますが)、この宝石の効果、パワーを期待して求めたものでした。プレゼントにリクエストしたものも、自分で手持ちのジュエリーを売って、購入したものもありますが、身に付けるときは、パワーを信じて、期待しておりました。

諦めていた仕事をもう一度私に与えてくれたのは、ジュエリーのパワーでした!!

    これを手にしたらきっともう満足と思っても、更に又、別の宝石も欲しくなりました。そして、いつしか、又、仕事を再開したいと思うようになっていきました。

    もちろん、宝石を購入したい為だけではありません。子どもたちが大きくなるに連れて、必要なお金は増え、私のゆとりの時間もそれと同時に少しずつ増えてきていました。

    そして、更に子どもたちの成長に伴い、かかるお金はうなぎ登りになり、私の時間も更に増えていくことが容易に予想できました。ゆとり時間が増えると同時に、子どもたちの中に占める私の存在価値は、少しずつ小さくなっていくのを実感しはじめていました。

    子どもたちは、日々成長し、少しずつ親の手を離れていきます。それは、本来、喜ぶべきことです。私は、将来、子どもたちが一人で生きていけるように、立派に自立できるように、今手助けをしているだけなのだと頭でははっきりとわかっていました。それでも、母としての私は、私の手を必要として、私を頼ってくれる今の子どもたちが愛しくてたまりませんでした。

    そのことを自覚したとき、いつか仕事をしたいという曖昧な希望から、きちんと仕事をしなくてはならないという決意と変わりました。

   母親としては当然だと思いますがが、私はずっと我が子に夢中で、子ども中心の生活をしてきました。

    はじめのうちは相思相愛だったと思います。しかし、次第に子どもたちは私より友達が大切になり、私の想う気持ちの方がどんどん重くなってきていました。

     このまま、専業主婦として家事と育児のみでいたら、いつか自分が世界から取り残されたような寂しさ、何とも言えない空虚感に苛まれるような予感がしました。

    子育てが落ち着いたら、好きな趣味に打ち込めるとお考えの方もいらっしゃると思います。それも、素敵だと思います。私自身も、少なからず趣味をもっていました。しかし、どれも、子育てに費やしたエネルギーをしっかり受け止めてくれるほどの力があるようには思えませんでした。

     子育てで得られた充実感、満足感、自己有用感に替わるものは、私の場合、仕事しか思い浮かびませんでした。それに働けばお金を頂くことができ、子どもたちのやりたいことを自由にさせてあげる力を持つことがができるのです。家にいることを望んでいた夫の理解を得て、仕事を再開しようと密かに心に決めました。

     その時、私が夫におねだりしたのが翡翠の指輪でした。翡翠には仕事面のサポートをしてくれる力があると「宝石手帳」に載っていました。翡翠を手にしたら、きっと仕事ができるようになると信じて、夫に結婚記念日のプレゼントにリクエストしたのです。そんな妻の思惑を知らず夫は翡翠のリングをプレゼントしてくれました。透明感のある綺麗な初めて翡翠。それを手にしたとき、私は、きっと又仕事ができるようになると確信めいた思いが沸き上がりました。

     実際のところ、翡翠の力なのか、私の強い決意によるのか、翡翠があるから大丈夫と信じた心理的なものからなのかは分かりません。

    それでも、今では遠い昔になった、子育てに明け暮れていたあの日の、子どもたちの為に自分自身の為に仕事をしようと決めた思いは確かに実現しています。

    正確には、少しずつ実現していったのです。非常勤の短時間の仕事からスタートして、フルタイムを経て、正規職員へ。折々に、色々な葛藤や迷いもありましたが、今もしっかり仕事をさせて頂けることに感謝しています。

     私の仕事再開の過程を、全て翡翠の効果と言えるほど単純ではないとは思います。それでも、最初に、翡翠に背中を押して貰ったことを、今でも鮮明に覚えています。迷ったときに、翡翠を見ながら、仕事をしないではいられないと思った遠いあの日を思い出し、その時々に励まされてもきました。家族や同僚の協力や励ましはもちろん不可欠でしたが、翡翠を手にするたび、大いなる力に守られているように感じていたのも確かでした。

    私の大好きなジュエリーは、それを愛し信じる持ち主には、不思議な力を与えてくれるものだと、実は今も密かに信じています。